射出成形の外観不良「シルバー」を解決する|原因究明へのアプローチと対策

目次
1. 白物成形を悩ませる「シルバー」
「シルバー(銀条)」は、樹脂の流れに沿って銀白色の筋が現れる厄介な不良です。黒点や色むらと同様、シルバーもまた「美しさ」を追求する成形現場にとっては、避けては通れない課題です
2.シルバーが発生する主な原因
シルバーの正体は、樹脂の中に巻き込まれた「ガス」や「空気」、あるいは「水分」が成形品の表面に浮き出たものです。
- 樹脂の乾燥不足: 樹脂に含まれる水分が加熱により蒸気となって現れます。
- 樹脂の分解(焼け): シリンダー内での滞留や過度の加熱により樹脂が熱分解し、ガスが発生します。これは黒点の原因である「焼け」とも密接に関係しています。
- 空気の巻き込み: スクリュー回転数や背圧の設定が不適切だと、樹脂の間に空気を噛み込んでしまいます。
3. 豊和化学流・シルバー対策の鉄則
当社では、シルバー対策においても「焦りは禁物」と考え、以下の論理的なステップで解決を図ります。
- 条件は必ず「一つずつ」変える: 一度に複数の成形条件(温度、圧力、速度など)を変更すると、何が真の原因だったのかが見えなくなります。背圧を微調整するのか、回転数を変えるのか、一つずつ確認しながら最適解を導き出すのが当社の鉄則です。
- ピンポイントの温度管理: 「樹脂の分解」が疑われる場合、単に全体の温度を下げるのではなく、ノズルやシリンダーの各ゾーンを特定し、どの部位で劣化が起きているかを論理的に突き止めます。
- 現場の微調整力: 数値化できない「現場のコツ」を活かし、ゲート付近の形状や樹脂の流速をコントロールすることで、ガスを逃がす最適な条件を見出します。こうしたノウハウは、ベテランから若手へと確実に継承されています。
4. 最後に:不良品を「観察」することから全てが始まる
シルバーと一言で言っても、その原因は樹脂の特性、金型構造、成形条件など多岐にわたります。 「乾燥不足のシルバーなのか、熱分解によるものなのか、あるいは空気の巻き込みなのか」 シルバーと一言で言っても、原因は多岐にわたるので、注意深く不良品を観察することから全てが始まる。 当社はそう確信し、今日も一つひとつの成形品と真摯に向き合っています。
