「反り」「内倒れ」の原因と設計・成形条件で防ぐポイント

目次
はじめに
箱型や深さのある製品を成形した際、壁面が内側に曲がってしまう「内倒れ」や、底面が弓なりになる「反り」に悩まされていませんか?
これらは外観だけでなく、他部品との組み付け不良に直結する深刻な問題です。
本記事では、この現象がなぜ起きるのか、そして設計段階と成形現場でそれぞれできる対策をわかりやすく解説します。
反り」「内倒れ」が発生する根本的なメカニズム
結論: 原因は「樹脂の収縮差(冷え方のムラ)」にあります。
樹脂は高温の液体から冷えて固まる際に体積が縮みます。このとき、製品全体が完全に均一に冷えれば変形しませんが、以下の理由で「収縮の差」が生まれると、引っ張り合って変形(反り・内倒れ)が発生します。
- 肉厚の不均一(偏肉): 厚い部分は冷えにくく(収縮が大)、薄い部分はすぐ冷える(収縮が小)。
- 金型温度の前後差: 固定側と可動側で温度差があると、温度が高い方(ゆっくり冷える方)へ引っ張られて曲がる。
- コーナー部の熱こもり: 箱型の角(内側コーナー)は熱が逃げにくく、外側より冷えるのが遅れるため、内側に引っ張られて「内倒れ」が起きる。
【設計段階でできる対策】製品形状の見直し
成形現場での無理な条件調整を減らし、コストを抑えるための設計のコツです。
- 肉厚をできるだけ均一にする: 急激な肉厚変化を避け、なだらかにつなぐ。
- 補強リブの追加: 内倒れが起きやすい側面を支えるリブを設ける。ただし、リブが厚すぎると逆にその根元が縮んで「ヒケ」や「反り」の原因になるため、リブの厚みは製品肉厚の0.5〜0.7倍程度に抑えるのが鉄則。
- コーナーにR(丸み)をつける: 熱がこもるのを防ぎ、応力を分散させる。
【成形現場でできる対策】成形条件の最適化
金型がすでに完成している場合に、現場の技術力でカバーするポイントです。
- 金型温度の個別管理(温調): 内倒れを相殺するために、あえて可動側と固定側の温度に差をつける(内側に倒れるなら、外側の金型温度を少し下げて収縮のバランスを取るなど)。
- 保圧の調整: ゲート付近だけでなく、製品全体に均一に圧力がかかるよう、保圧の大きさと時間を最適化する。
- 冷却時間の延長: 金型内で十分に固まるまで冷却し、製品自体の強度を高めてから突き出す
まとめ
「反り」や「内倒れ」は、結晶性樹脂(PPやPOMなど)で特に顕著に出やすい性質があります。
当社(豊和化学)では、成形条件のシビアなコントロールはもちろん、金型製作の前段階から「トラブルの起きにくい製品形状」のご提案(設計協力)も行っております。「試作段階で反りが出て困っている」という方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
